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フルリフォーム(リノベーション)と建て替えの違いとは?どちらが向いている?両者を比較してメリット・デメリットを解説
自宅や実家の築年数が経過している場合、今後に向けた見直しの方法として考えられるのが「フルリフォーム(リノベーション)」と「建て替え」です。どちらも快適な住まいを実現するのに有効ですが、それぞれに異なるメリット・デメリットがあります。
この記事では、フルリフォームと建て替えの違いやメリット・デメリットを詳しく解説。具体的なケース別に、どちらが向いているのか紹介します。
フルリフォーム(リノベーション)と建て替えの違いを一覧で比較
まず、フルリフォームと建て替えの違いを一覧で比較してみましょう。
フルリフォーム | 建て替え | |
工事内容 | 既存住宅の構造部を残したスケルトン状態から、全面的に改修を行う | 既存住宅を完全に取り壊し、基礎部分を一から作り直す |
費用相場 (内容による) | 300〜2,500万円程度 | 1,500〜4,000万円程度 |
諸費用 | ほとんどなし (場合によって仮住まい・引越し費用などがかかることも) | 既存住宅の解体費用 仮住まい・引越し費用 登記関連費用 不動産取得税 など |
工事期間 | 1〜3ヶ月程度 | 4〜6ヶ月程度 |
間取りの自由度 | 建物構造によって一部制約あり | 自由に設計可能 |
既存の建物を生かすのがフルリフォーム、すべて解体して新築するのが建て替えというのが大きな違いです。
また、フルリフォームは全体的なコストや工事期間を抑えられる一方、自由度が制約される点がネック。対して、建て替えは自由度の高い家づくりができるものの、コストや工事期間がかかります。
フルリフォーム(リノベーション)のメリット・デメリット
ここからは、フルリフォームのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
フルリフォーム(リノベーション)のメリット
フルリフォームのメリットとして特に大きいのが、建て替えに比べてコストを安く抑えられ、工期も短くて済む点です。建築では基礎部分や構造部を築くのに大きな時間やコストがかかりますが、フルリフォームでは既存建物の骨組みを活用するため、大幅に工事の手間とコストを削減できます。
建物の造りや工事の進め方によっては、住みながら順番に工事を進めていくことも可能。その場合は、工事期間中の仮住まいを用意する必要がないので、いっそうコストを抑えられます。
元の家に強い思い出がある人もフルリフォームがおすすめです。フルリフォームでは、大切な箇所を「あえて残す」という選択もできます。家族の思い出が詰まった壁や柱、一部の建具などを残しつつ、現代のライフスタイルに合った快適な住まいを実現可能です。
また、フルリフォームなら再建築不可物件などの既存不適格物件(新築当時は法令を満たしていたものの、後の改正により現行の法令には適さなくなった建物)でも施工できます。建築確認申請が必要な工事は難しい場合があるものの、基礎や構造部を変更しない範囲での模様替えや設備交換などは問題なく行えるでしょう。
フルリフォーム(リノベーション)のデメリット
コストや時間を節約できる一方、建て替えに比べると設計の自由度が低い点はフルリフォームのデメリットです。既存の建物構造を活用するフルリフォームでは、どうしても元の建物の工法や柱・壁の位置によって間取りが制約を受けます。
木造戸建てで特に注意したいのが「2×4(ツーバイフォー)工法」で建てられた住宅です。最も一般的な木造軸組工法が柱・梁などでできた「枠」の組み合わせで建物を支えているのに対し、2×4工法は床板や壁などの「面」の組み合わせで建物を支えています。そのため、建物の強度維持の点から壁を取り払えないことが多く、間取り変更や大開口の設置が制限されるケースがあるのです。
フルリフォームのデメリットとしては、想定外の費用が後から発生するケースがあることも挙げられます。築年数が経過すると、目では見えない壁の内部や床下、配管類などが老朽化しているケースが少なくありません。解体して初めて不具合が発見されることもあるでしょう。
後から見つかった不具合が強度や住宅性能に影響するものだと、費用が上ぶれる可能性もあります。
建て替えのメリット・デメリット
続いて、建て替えにはどのようなメリット・デメリットがあるのか順番に解説します。
建て替えのメリット
建て替えは既存住宅を取り壊して新たに建物を建てるので、通常の新築注文住宅と変わらないほど、設計の自由度が高いというメリットがあります。土地代を節約しつつ、自分たちのこだわりが詰まった住まいを実現できるのが魅力です。
基礎部分や構造部を一から作り直せるので、新築住宅のレベルまで耐震性や断熱性を向上できるのもポイント。すべてが新品になるため、耐久性も新築と変わりません。フルリフォームに比べて将来のメンテナンスコストを抑えることもできるでしょう。
また、建物の法定耐用年数もリセットされるので、建物分の資産価値も大きくアップします。長い間住み続けたい、子や孫の代に建物を受け継いでいきたい場合には、大きなメリットといえるでしょう。
建て替えのデメリット
建て替えでネックになるのが、高いコストと長い工期です。まず既存建物を解体しなければならないうえ、基礎や構造部分を一から作り直さなければならず、フルリフォームの倍近い費用・期間がかかるケースも少なくありません。
既存の建物と同じ広さや条件で建て替えられるとは限らないことにも注意が必要です。築古の建物だと建築後の法令改正により、土地の建ぺい率・容積率制限が変更になっていることもあります。
この場合、建て替え時は現行の法令にしたがうことが求められるため、元の住宅より面積が小さな建物しか建てられないケースもあるでしょう。再建築不可物件ではそもそも建て替えが不可能です。
加えて、建て替えにあたっては、建物の新築による不動産取得税、解体・新築を登記する際の登録免許税など、フルリフォームではかからない税金が課せられる点にも注意しましょう。
あなたはどちら向き?フルリフォーム(リノベーション)・建て替えそれぞれが向いているケースを紹介
ここまでフルリフォームと建て替え、それぞれのメリット・デメリットを見てきました。どちらを選択すべきかは、そのときの状況や今後のライフプランなどによって異なります。
フルリフォームが向いているケース、建て替えが向いているケースの具体例を紹介しましょう。
フルリフォーム(リノベーション)が向いているケース
次のようなケースに当てはまる場合、フルリフォームを中心に検討するのがおすすめです。
・できるだけ費用や工期を抑えたい場合
「資金的な余裕があまりない」「この時期までに絶対間に合わせたい」など、費用や時間的な制約があるならフルリフォームが適しています。
・建物の状態が比較的良好な場合
建物の基礎部分や構造部が頑丈で、それほど老朽化していないのであれば、フルリフォームを選ぶのもいいでしょう。予算があれば内装や設備によりお金をかけられます。
・自分たちの「終の住処」として利用できれば良い場合
50代・60代にさしかかり、自分たちの老後を快適に過ごせればいいと考えている方も、フルリフォームが向いています。
・法令上建て替えが難しい場合
先ほど紹介したように、そもそも建て替えが難しい再建築不可物件などではフルリフォーム一択となります。ただし、フルリフォームでも施工内容が限られる点は注意しましょう。
建て替えが向いているケース
一方、次に挙げるケースに当てはまるなら、フルリフォームではなく建て替えを検討するのがいいかもしれません。
・耐震性など住宅性能を大きくアップしたい場合
フルリフォームでは既存の構造を活用するので、住宅性能を強化できる幅が限られます。耐震性や省エネ性などを根本的に向上したいなら、建て替えがおすすめです。
・建物の老朽化が著しい場合
構造部がシロアリに食われている、柱や梁が腐朽しているなど、建物自体の老朽化が激しい場合も建て替えが向いています。
・将来子どもに資産として受け継いでいきたい場合
自分たちの代だけでなく、子どもや孫の代でも住み続けられるようにしたいなら、より耐久性の高い建て替えを選択しましょう。
・フルリフォームと費用差があまりない場合
基礎や構造部の追加工事や耐震補強工事が必要なケースでは、フルリフォームの費用が大きくかさむことがあります。建て替えとの費用差があまりないのであれば、より自由度高く見直すことができる建て替えを選択するのも有効です。
フルリフォーム(リノベーション)の施工会社をお探しの方はカインドへご相談を!
フルリフォームと建て替えの違いは工事内容にあります。
フルリフォームでは既存の建物の構造部をそのまま生かすのに対し、建て替えは既存建物を解体し、新たに建物を建築します。
フルリフォームは建て替えに比べて、コストや工期を抑えながら快適な住まいを実現可能です。そのため、構造部の状態が比較的良好な場合には、フルリフォームを検討することをおすすめします。フルリフォームだと予算が合わないときは、気になる箇所だけ部分的にリフォームして費用を節約するのも効果的です。
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